1枚のグラフで知るドイツ人口推移
ドイツの総人口は、2024年1月1日現在8,327.6万人です。
2年前の2022年に、総人口8,342.7万人(国連、各年1月1日現在推計)となりピークを迎えています。
人口ピーク過ぎても成長継続の予感
ドイツは、昨年(2023年)GDPで日本を抜いて、世界3位になっています。
働き手の中心であるドイツの生産年齢人口(15~64歳)は、現在5,287万人であり、日本の7,228万人の73%です。1人当たりの付加価値づくりが大きく上回っているのでしょう。(国連推計:2023年1月1日現在人口)
ドイツの生産年齢人口は、30年後83%になりますが、日本は72%と更に減少すると予測されています。
今、ドイツの総人口は、減少のトレンドに入っていますが、日本のそれより人口減少は穏やかに見えます。
年少人口(0~14歳)は、減少していますがそのトレンドはフラットになるとみられます。
(年少人口指数)=(年少人口)/(生産年齢人口)×100
現在の年少人口指数は22ですが、今後その値は23~24と1~2ポイントの上昇にとどまると予測されます。
現在の年少人口は、1,165万人ですが、30年後1,005万人と▲13.7%の減少となります。生産年齢人口は、30年後▲16.7%の減少に留まっていて、生産年齢人口の年少人口への負担は現在と同等程度で、大きく増えないと思われます。
高齢化の老年人口(64歳以上)にかかわる指数を見てみましょう。
(老年人口指数)=(老年人口)/(生産年齢人口)×100
現在のドイツの老年人口指数は36です。30年後は55と大きく増えると予測され、その先2100年ごろには60を超えると予測されています。
しかし、日本の現在のこの指数は52ですので、将来を見据えても、その負担感覚は、現在の日本人の感覚と大きく違うものと思われます。
生産年齢人口の経済的・社会的な負担を示す指数をみてみましょう。
(従属人口指数)=(年少人口+老年人口)/(生産年齢人口)×100
従属人口指数は、現在59ですので、ドイツでは、年少者と老年者に対して2倍弱の生産年齢人口の国民が支える社会となっています。
その国の成長の要素の一つに人口があります。
その人口構成により成長のフェーズが変わってきます。
ドイツは、GDPで3位になり、直近10年の名目GDPの伸びは平均2%程度と継続しています。
ドイツの今後の人口推移からみると、堅調な継続が予感されます。
ドイツの老年化指数トレンド
グラフも視点を変えると、違う見え方になります。
老年化指数=(老年人口)/(年少人口)×100
ドイツの年齢3区分人口推移と老年化指数トレンドを見てみましょう。
統計開始の1950年時点では、老年化指数は39です。年少人口が老年人口の約2.6倍いた時代です。
年少人口と老年人口が同数の老年化指数100を超えたのが、1999年です。
このグラフの右端2100年の未来、その時の老年化指数は、262と予測されています。
この時点でも、ドイツの社会は、日本の現在の老年化指数265に届かない世界です。
高齢者の社会は、一つの指標ではその姿は描けませんが、その国をみる一つの視点といえるでしょう。
もう一度グラフのトレンドを眺めてみてはいかがでしょうか。
【速読解Biz】
〈出典〉United Nations・Population Division〉World Population Prospects 2022
サイトURL https://population.un.org/wpp/Download/Standard/CSV/
Download file➡[Sub-Group:Population]・[Files:1950-2100(ZIP,12.47MB) ]・[Description:Population on 01 January, by 5-year age groups.]
〈利用と加工〉人口動向ラボが2024年5月3日に利用し、グラフ加工しています。