2機関の公開データの差はわずか!
人口に関するデータについては、国内のデータとして国立社会保障・人口問題研究所が公開する統計資料があります。
また、世界の人口に関するデータには、国連人口統計があります。
日本の各年の総人口について、2つの機関のデータを比較してみましょう。
データ差異の最小は2008年!
今回、日本の総人口データを利用する場合、様々なデータが公開されています。
あなたは、人口データについて、どの人口データを使っているでしょか?
国内で公式に公開されているデータと、国際機関のデータを比べてみましょう。
公開データのうち、国立社会保障・人口問題研究所は、実績値も推計も各年10月1日現在人口としています。それに対して、国連人口Divisionは、各年1月1日現在、もしくは7月1日現在の人口が推計されています。
従って、総人口の差異があるのが前提です。
グラフ下部の棒グラフは、総人口を表しています。
総人口のグラフでは、国内データと国連のデータの差異は棒グラフではわからない程度と言えるでしょう。
グラフ上部で、データ年度ごとの差異(%)トレンドを表しています。
人口問題研究所と国連人口の差異は、まず1971年と1972年の間で差異が調整されている様にみえます。その後、その差異は2020年まで±0.5%以内で継続しています。
2020年以降は、国立社会保障・人口問題研究所の人口は、推計になっています。
国連の人口との差異は大きく変化していますが、その差異はきれいなサインカーブとなっていますので、各機関による想定条件の違いによるものでしょう。
総人口について、日本の人口動静を知るのは、5年毎に行われる国勢調査による人口調査です。
総務省統計局で、各月1日現在の総人口が、速報値と確定値を公開しています。
また、その月の人口は、各自治体単位でも公表されています。
今回グラフに使用した各年の人口は、以下の前提です。
国立社会保障・人口問題研究所では、
・各年10月1日現在の実績値
(1950~2020年)
・出生中位(死亡中位)推計
(令和5年推計・2021~2070)
(令和5年推計・2071~2120)
について、総人口を公開しています。
実績値と推計は国勢調査毎ですので、前回令和2年(2020年)が基準になっています。
国連では、Population Divisionが、直近ではWorld Population Prospectstsとして2022年版を公開しています。国連の総人口データは各年について、
・Total Population, as of 1 January (thousands)
・Total Population, as of 1 July (thousands)
と1/1現在、7/1現在の標記で推計されています。
これらの人口データを参考に記載します。
年度 | 国立社会保障・人口問題研究所 | 国連prospects2022 | ||
各年10月1日現在 | R5年推計(中位) | TPopulation1Jan | TPopulation1July | |
1950年 | 83,200 | – | 83,656 | 84,353 |
2000年 | 126,926 | – | 126,665 | 126,804 |
2008年 | 128,084 | – | 128,053 | 128,078 |
2024年 | – | 123,844 | 122,964 | 122,631 |
2050年 | – | 104,686 | 104,140 | 103,784 |
2070年 | – | 86,996 | 89,497 | 89,137 |
皆さんが人口データを使うときは、その使用目的に合わせて、人口数の有効桁数を考慮したうえで利用してみたらいかがでしょうか。
【速読解Biz】
出典A、B、Cを2024年5月7日に利用して、本サイトで加工して作成しています。
出典A:国立社会保障・人口問題研究所〉将来推計人口(令和5年推計)詳細結果表〉資料表1-1 URL https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/db_zenkoku2023/s_tables/app1-1.xlsx
出典B:サイトURL 日本の将来推計人口(令和5年推計)|国立社会保障・人口問題研究所 (ipss.go.jp)
出典C:国連サイトURL 世界人口予測 – 人口部 – 国連