【図解】ワンポイント!Excelで作る最新世界人口推移グラフ

最新世界人口予測
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国連人口局(Population Dvision)による世界人口推計は、昨年2024年7月に2024年版(WPP2024)が公表されています。1948年に最小の推計が公表され、WPP2024は28回目にあたり、前回は2022年版です。

国連のWebサイトでWPP2024のデータファイルを使って、世界人口の最新の推移グラフをExcelで作ってみましょう。あわせて、作成のワンポイントを記載しています。

『世界人口見通し2024年版』(World Population Prospects 2024)には、 結果の要約として、Ten key messagesが記載されています。紹介しましょう。

1、世界の人口は今世紀中にピークを迎える可能性が高い。
2、世界の4人に1人は、人口がすでにピークを達成した国に住んでいる。
3、現在の女性は、1990年頃に比べて、平均1人少ない子供を産んでいる。
4、早期出産は若い母親とその子供に有害な影響をもたらす。
5、COVID-19のパンデミック後、世界の平均寿命は再び上昇している。

6、21世紀半ばまでの人口増加の主な原動力は、過去の成長によって生み出された勢いである。
7、年少人口が多く、出生率が低下している国では、生産年齢人口の集中増加から経済的利益を得られる時間は限られている。
8、2080年までに65歳以上の人口が18歳未満の人口を上回る。
9、一部の人々にとって、移民は将来の成長の主な原動力となるでしょう。
10、男女平等と女性のエンパワーメントは、急速な人口増加や減少に対抗するのに役立つ。

では、早速世界人口推移グラフを作成してみましょう。

まずは、国連人口Divisionのサイトを「WPP2024」で検索、覗いてみましょう。
検索の中から、下記のサイトをクリックします。

World Population Prospects 2024 | Population Division
WPP2024・人口データ検索手順
  • web 1
    国連人口Division Webサイト
    国連人口統計Webサイト
    説明図1-1)国連人口統計Web
  • web 2
    WPP2024 データファイルのWebサイト
    国連人口統計WPP2024
    説明図1-2)国連WPP2024 Dataサイト

国連人口統計のWebサイトのデータ
〈ダウンロード時のワンポイント〉
・ダウンロードできるデータサイトは、説明図1-2)に示す様に「Most used」(及びPopulation、Feritility、Mortality)と「CSV format」があります。
・ダウンロード資料としてExcelグラフを作成する場合には、CSV形式が使いやすい形式です。
・今回は「CSV format」データのうち「1950-2100 medium(gz)」(16.6MB)をダウンロードして使用しました。ファイル全体をダウンロードして使用してもいいですが、使用目的にあわせて、データの必要箇所を新しいExcel にコピーして使用すると、操作性が向上します。
・ちなみに、「1950-2100 medium(gz)」のデータのExcel展開時の行列数は、縦軸の行数84,362行、横軸の列数A~BO(67)列ですので、タイトルを合わせると約565万の膨大なデータが格納されています。
・「Most used」で表示されるデータはモバイル/PC上で見やすいいデータファイルですので、統計データの中身を見るのは最適なファイル形式になっています。

Excelの世界人口グラフの作り方ワンポイント

世界人口推移グラフ作り方
説明図2)世界人口グラフ作成

世界人口推移グラフ

世界人口推計
グラフ2-1)世界総人口推移

Excel6地域人口グラフの作り方ワンポイント

6地域人口推移グラフは、「積み上げ面グラフ」が適切でしょう。作成する際の見やすいグラフについてみてみましょう。

世界6地域人口グラフ作り方
説明図3)地域人口グラフ作成ポイント

〈グラフ作成ワンポイント〉
❶データの順番の検討:面グラフでは、データ順に積み上がります。従って、どんなグラフにするか作成者の意図によります。ポイントは、変化量の大きい地域データが上に積み上がるようにすると見やすくなります。但し、Oceaniaのデータの様に全体構成比が1%の場合は、最下段にすると埋もれてしますので、中間に挟む形でデータ順を工夫しています。

❷面グラフの配色の検討:面グラフでは、配色によりグラフの見栄えが変わります。プレゼンテーション等の一連の中でのグラフ作成では、単色の配色や白黒の配色も適切です。目的にあわせて配色の検討をするとよいでしょう。

❸その他の変更ワンポイント
・横軸の年号表示の「文字列の方向」:今回は「横書き」を「左へ90°回転」に
・6地域の凡例は削除し、グラフ内に個別に名称を記入
・グラフタイトルの変更
・文字サイズの適正化、使用フォントの選択

作成するグラフの目的にあわせて、グラフデザインを変更、工夫しましょう。

世界の6地域(Region)の人口動向

世界人口6地域推計
グラフ2-2)世界6地域人口推移

尚、WPP2024版による6地域の人口ピークは以下のよう推計されています。
・Africa ‥ 2101年以降、2101年時点38.2億人
・Asia ‥ 2054年52.9億人
・Oceania ‥ 2101年以降、2101年時点0.73億人
・Northern America ‥ 2101年以降、2101年時点4.7億人
・Latin America & the Caribean ‥2053年7.3億人
・Europe ‥ 2020年7.5億人

世界6地域人口の構成比推移グラフ

6地域の人口推計を、100%棒グラフにしています。

アジアの人口構成は、全期間を通して45~60%範囲内ですが、1950年時点で37%あった欧州・アメリカ人口が、2100年では18%と半減し、相対してアフリカの人口が9%から37%と4倍強の増加となっています。

世界6地域構成比
グラフ2-3)世界6地域構成比推移

〈100%棒グラフ作成のワンポイント〉
・人口推移グラフは、基本的には折れ線グラフや面グラフが適切です。
・構成比の推移を表すのも、100%積み上げ面グラフでも可能です。
・100%積み上げ棒グラフは、複数の特定年の人口構成比を比較するときに有効です。例えば、現在と過去の特定年、あるいは現在と10年後、20年後、30年後を比較する場合に用いられます。
・今回は1950年から2101年までの全152年のデータですので、そのまま全データを使用して「100%積み上げ棒グラフ」にすると、「100%積み上げ面グラフ」と同等なグラフになります。
・作成するグラフで表示する数字のフォントサイズ(資料提示の読みやすさ)によりますが、データを10年間隔又は20年間隔として、グラフを作成するとよいでしょう。
・作成した棒グラフに構成比を表示しています。特定年(1950年、現在、人口ピーク年、2100年)にのみ表示することで、構成比を強調することや数値での資料として分かりやすくなるでしょう。

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最新の統計データはWPP2024ですが、前回のmWPP2022との推計人口差異をみてみます。
グラフは2020年から2101年までのデータとしています。

2025年1月1日の推計差異は、+4,138万人、2037-38年を境にWPP2024版の推計人口が2022年版を下回り、2100年時点推移計では▲1億6,839万人の差異となっています。

差異のポイント
・世界総人口のピーク年推計は、前回の2086年から2084年と2年前倒しになっています。
・ピーク人口は、前回104.3億人から1.41億人下回る102.9億人と推計しています。

WPP2024とWPP2022との推計人口差グラフ

WPP推計
グラフ3)WPP2024とWPP2022との推計差異

〈差異が少ない場合の人口グラフ作成ポイント〉
・WPP2024版と前回版との差異は、最大で2100年の1.4%と小さな差となっています。通常の折れ線グラフでは、差異が表現できないため、縦軸の人口間隔を5億人として、分かりやすくしています。
・折れ線グラフは、線の配色の変更だけでなく、前回の2022版のデータを見やすい破線で表示して、区別した折れ線グラフにしています。
・グラフ3)のポイントは、第2軸に差異人口を棒グラフとして併記している点です。折れ線だけでの差異の読み取り不足を補っています。
・グラフの第1主横軸で目盛線が決定されますので、第1軸のデータと第2軸にデータの目盛線を合わせることが必要です。グラフ3)では、第1軸の目盛線は最小値70,最大値125、目盛線12本とし、第2軸の目盛線は最小値-10.0、最大値+1.0、目盛線数は12本と第1軸の目盛線数と同数としています。(尚、第1軸の目盛110から125、第2軸の-10.0から-3.0の目盛はグラフに白色図形を組み合わせて消し込んでいます。)

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