世界各地で異常気象が頻発する現在では、地球温暖化という言葉は、言い古された言葉となっています。
日本では、ますます春と秋が短く感じる気候になっている気がします。
「日本は、昔と比較してどの程度暑くなっているのでしょうか?」
気象庁のHPでは、100年以上前からの気象データをWeb上で閲覧することができます。
温暖化の実態は気温のデータをグラフ化することがその一歩です。Excelの気温グラフ作成を通して、分かりやすい気温グラフの作り方をみてみましょう。
気温データをExcelシートへ!
日本の気温といっても、北は北海道から南は沖縄まで広範囲ですので、先ずは「東京の気温」の昔と今を調べてみます。
「気象庁>各種データ・資料>過去の気象データ」にアクセスしてみましょう。
観測地点として、東京都・東京を選択し、そのデータをExcelシートへコピーし、そこから気温の解析をしていきます。次のステップを参照してください。
- step1
- step2
- step3
東京の観測データは、本年2025年から1872年までさかのぼってみることができます。
気温についてExcelシート上には
・縦軸:1875年から2025年までの西暦
・横軸:1月~12月までの各月の日平均気温の月平均値、及びその年の値
が表示されています。
このデータを使って、Excelグラフを作成して、温暖化の実態を見てみましょう。ポイントは、見やすく分かりやすいグラフ作成です。
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東京の日平均気温は100年前より約3℃上昇している!
Excelシート上でグラフを作成します。
先ずは、過去の「年の値」折れ線グラフの作成
まずは、気温データのうち、各年の「年の値」を折れ線にしてみます。

Excelの「挿入/グラフ」で、最初に作成されたグラフ元にを、説明図2にあるポイントに沿って作成してみましょう。
東京の1875年から2024年までの気温推移グラフ

〈このグラフの見やすくしたポイント〉
・グラフの縦軸目盛りを12℃~18℃に設定変更
・データは1876~2024年ですが、10年単位の目盛として1871年から2031年まで10年間隔の目盛りに設定変更
・各年のデータの線形近似曲線を挿入、近似線の数式と決定係数(R2)を表示
【グラフから分かること】
・東京の気温:「年の値」は年毎に大きく増減していますが、観測開始(1875年)から現在まで上昇傾向にあることがわかります。
・線形近似の数式から見ると、100年で約2.4度は上昇していることが読み取れます。決定係数(R2)は、1に近く相関が強い数式といえます。
気温変化の折れ線グラフに移動平均グラフを追加

〈このグラフの作成のポイント〉
・各年の変動が大きいため、データの移動平均(n=10)を挿入しました。
・同時に、各年データではなく、移動平均線の線形近似曲線を挿入、近似線の数式と決定係数(R2)を表示
【このグラフから分かること】
・観測期間(1876~2024年)で気温は上昇している。
・移動平均によりデータの変動が抑えられ、当然ですが、線形近似の決定係数は1に近づき0.94と1に近づいています。近似線の勾配は約2.5度/100年となっていて、元データの勾配2.44と同水準となっています。
気温「年の値」推移の20年単位グラフを追加

〈このグラフのポイント〉
・過去の約140年について20年単位のデータの平均値を折れ線グラフを挿入
〈単位平均グラフ作成時のワンポイント〉
・20年単位平均グラフは、断続グラフにしています。1891年から1911年にかけての13.7℃の横棒は、1891~1910年の「年の値」の平均値を示しています。グラフデータにする時には、1910年に相当するデータは” ”(空白)とすることで、不連続のグラフを表示することができます。
【このグラフから分かること】
・1870~1910年代の東京の気温「年の値」は13.7~8℃ですが、直近1990~2020年代のその気温は16.5~7℃となっています。その温度差は約2.7~3.0度です。
・現在は100~140年前に比較して3℃弱の上昇の中にあることが見て取れます。
気温データと年号が実感できるグラフに!
横軸を西暦としていますが、気温と西暦だけのグラフに、年号を組み合わせで、少し過去の時代実感のニュアンスを加えることもできます。

〈このグラフのポイント〉
・時代実感を示すために、横軸の西暦を和暦(年号)にすることも可能です。横軸に和暦を採用する場合、データが140年と長期間ですので、年号により取りうる年号の横軸間隔が不連続になりがちです。和暦を採用する場合には、140年のどの年を横軸に表示するか留意する必要があります。
・このグラフでは、横軸を西暦のままで、背景色の一部を年号区分ごとに変えることで、年号内での気温推移が分かるようにしています。
〈背景色を付加する場合のワンポイント〉
・Excelで作成したグラフを、PowerPointに移して作図します。
・作成グラフの折れ線グラフ範囲は「塗りつぶしなし」になっています。背景色を付けたい範囲に図形を挿入し図形の配置を「最背面に移動」すれば、背景色をつけることができます。
・但し、背景色を「最背面に移動」してしまうと、背景色の図形指定や形状変更の操作が、グラフ本体が上面にあることにより出来なくなってしまいます。そんなときは、PPTの画面範囲外にマークとなる図形を挿入し、背景色図形とマーク図形を「オブジェクトのグループ化」しておくと便利に操作可能です。一度やってみてください。
【このグラフから分かること】
・年号区分のニュアンスをつけることで、「あの時の気温は?」といった数値の読み取りも可能になります。
・このグラフでは、明治までと大正以降のデータをわけて、近似線を付加しています。グラフ2-3)でも見られるように、1911年頃を境に気温が上昇に転じている様にもみえます。明治45年、大正1年が1912年ですので、意図的に1912を境としてその前後のデータを分けてみています。
・全データn=149の線形近似では、2.44℃/100年(R2=0.8157)の係数でしたが、1912年以降のn=113の線形近似では、2.9℃/100年(R2=0.8225)となっています。
・データをどう使ってどう解釈するかは、意図した内容で変わってきます。
今回は東京都・東京の1986年から2024年までの気温のデータを使って、折れ線グラフで推移をみてみました。
観測地点を変更して、気温グラフの作成にチャレンジしてしてみましょう!