【東北編】国内793の市にみる老年化指数の分布〈2020年国勢調査〉

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老年化指数は、年少者(0~14歳)に対する老年者(65歳以上)の指数です。
この指数と生産年齢人口(15~64歳)の総人口に占める割合との関係をみると、興味深いチャートになります。
東北6県の77市の老年化指数の分布を見てみましょう。

東北6県77市の分布図
(散布図1)空色字の市は県庁所在地です

東北6県には、77市(※1)があります。

グラフは、老年化指数と生産年齢人口比率の散布図ですが、生産年齢人口比率の高い市は、老年化指数が小さく、生産年齢人口比率の低い市は、老年化指数が高くなっていて、負の相関関係にあるといえます。この相関は、下記の図2の全国793市の分布図でも同様な関係です。

生産年齢にあたる人口の減少は、働き手の高齢化を伴います。同時にそれは年少者の減少も伴っている社会です。

老年化指数の小さい市には宮城県の市が、老年化指数の大きな市には秋田県が位置しています。

東北6県のうち、老年化指数が200以下の市は4市です。
宮城県の富谷市132、名取市152、多賀城市193、岩手県の滝沢市186の4市です。
中でも富谷市は、生産年齢人口比率が61.9%と東北では仙台市の64.2%に次ぐ高い比率の市となっています。仙台市も205であり、生産人口比率が高く老年化指数の低い市が宮城県に集中しています。

生産年齢人口比率では、名取市61.9%、多賀城市61.8%で、富谷市と同水準です。
滝沢市は盛岡市の隣接市ですが、人口構成が郊外型の市と想定されます。

老年化指数の高い市は、秋田県に集中しています。

高い市から順に、男鹿市686、北秋田市552、仙北市492、能代市491となっています。
男鹿市は生産年齢人口比率が46.0%であり、東北では最も低い比率の市でもあります。

高齢化とともに、老年人口が増える社会は、日本全国どこでも同じ傾向です。人口減少とともに、市のポジションは、時間とともに右下方向に移動するでしょう。

人口の予測は、現在の0歳児を想定すれば、20年後の20歳以上の人口構成は予測可能な社会です。
現状を知って、未来を見ることは私たちの現実と言っていいでしょう。

※1:直近に実施された令和2年の国勢調査結果に基づいて作成しています。全国793市(内東京特別区も1でカウント)のうち、東北6県の市数は以下の通りです。
青森県10市、岩手県14市
宮城県14市、秋田県13市
山形県13市、福島県13市

全国793市の中での東北のポジション

東北6県77市の全国793市の中での位置付けを図2の散布図に示しています。

東北の各市は、日本の全体の分布に沿ったポジショニングになっています。

東北で、老年化指数600を超える市は男鹿市ですが、全国では11市に及びます。東北77市は全て、生産年齢人口比率45%を超えています。

全国793市の老年化指数分布
(散布図2)東北6県77市の全国でのポジション
【速読解Biz】

データの出典・データの利用と加工
総務省統計局〉令和2年国勢調査・調査の結果 サイトURL https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka.html 
出典のデータを2024年6月2日に利用して加工作成しています。

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