【グラフで知る】欧州で移住者を引きつける国はどこなのか?

欧州の各国の移住者数グラフ
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欧州諸国の移住者増減グラフ
ウクライナの戦禍と移住者数

2014年から2023年までの10年間のヨーロッパ諸国への移住者総数は、926.5万人と推測されています。(国連WPP2022・中位推計、ロシアを除く)

2022年にウクライナ戦争がはじまり、この年、ウクライナから667.4万人が国外へ避難しました。2023年に178.5万人が戻り、今年2024年には134.0万人が祖国へ戻るとみられています。

2022年、ウクライナを含む東欧諸国は▲83.9万人の移住者減となっていますが、ポーランドは+336.6万人、ハンガリー+61.6万人、ルーマニア+91.7万人、モルドバ+46.3万人、スロバキア+42.5万人と東欧諸国がウクライナから避難した人々の受け入れ国になっていると思われます。

2024年現在のヨーロッパの総人口は5億9,769万人ですので、先ほどの10年間の移住者総数は1.6%にあたる人口で、オーストリア、ハンガリーなどの一国に相当する人口といえます。

このグラフでは、ウクライナ戦争の影響が色濃くでているため、ウクライナ戦争の始まる前の時点での、欧州の移住者動向を見てみましょう。

21世紀、移住者の向かう欧州諸国グラフ
移住者が増加する4ヶ国

このグラフは、21世紀に入ったウクライナ戦争前の20年間の移住者動向を示したものです。

2001年から2021年の20年間における欧州への移住者総数は、2,371万人と推測されています。(国連WPP2022・中位推計、ロシアを除く)

欧州4区分の地域別では、東ヨーロッパ▲273万人と減少していますが、北ヨーロッパ+741万人、南ヨーロッパ+790万人、そして西ヨーロッパは+1,112万人となっています。

国別では、グラフで分かるように、スペイン+604万人、ドイツ+535万人、英国+522万人、そしてイタリア+403万人の4ヵ国が、とびぬけて移住者を受け入れている国といえます。

そのほか、フランス+162万人、スウェーデン+127万人、スイス+119万人、そしてベルギー+107万人の4ヵ国が100万人以上の移住者がいる国となっています。

逆に移住者がマイナスとなっているのは、ルーマニア▲154万人、その隣国であるモルドバが▲118万人で、100万人以上のマイナスとなっています。

2022年の戦禍の1年で、67万人が避難民となったウクライナも、2021年での20年間の移住者合計は、▲20万人のマイナスでしかありません。

この移住者数は、20年間の各年の移住者数を合計した人数であり、その移住者がその国に留まっていたかどうかは分かりません。ただ、その移住者を受け入れた国であることです。

例えば、英国は、21世紀に入って人口の増加率は再び増加して、英国の総人口ピークは、今から50以上先の2076年と予測されています。英国への移住者は、人的資源として、英国の成長に寄与している様に思われます。

ヨーロッパは、過去、スーダンやエチオピア内戦の難民、中東シリア内戦の難民を含む南からの難民の受け皿になって来ています。

EU加盟国は人の往来に関してシェンゲン協定(The Schengen Agreement)があります。人の自由は、EUの自由市場で保障された、物、資本、サービスを加えた4つの基本的な権利と言われています。

移住者数のマイナスプラスは、入ってくる移民と出て行く移民のどちらが多いかで決まります。グラフの色は、貧しい国から豊かな国への人の流れと言っていいでしょう。

【速読解Biz】

データの出典・データの利用と加工
〈出典〉United Nations・Population Division〉World Population Prospects 2022 
サイトURL  https://population.un.org/wpp/Download/Standard/CSV/
Download file[Sub-Group:Demographic Indicators]・[Files:1950-2100(ZIP,7.77MB) ]・[Description:Demographic Indicators]
〈利用と加工〉人口動向ラボが2024年6月20日に利用し、グラフ加工しています。

ヨーロッパの街角、人々と車
ヨーロッパの街角にて
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