【グラフで知る】ロシア連邦の人口推移〈1950年~2100年〉

ロシアの人口推移グラフ
この記事は約4分で読めます。

2024年1月1日現在のロシア連邦の人口(※1)は、1億4,419万人と推計されています。
今年3月にロシア大統領選挙が行われ、予定通りウラジミール・プーチンが圧勝し、新たに少なくとも任期6年の独裁体制が継続することになります。このロシアの1950年から2100年迄の人口推移について、国連予測を見てみましょう

ロシア連邦の人口推移グラフ
国連WPP2022による5年毎人口推移と人口構成指数のトレンドグラフです

※1)国連World Population Prospects 2022/中位推計、データ出典参照

国連の人口統計データは1950年から公開されています。
1950年は、ソビエト連邦の時代です。1917年11月の十月革命でレーニンによって樹立されたソビエト政権は、1991年の崩壊まで続くことになります。

人口推移グラフを見ると、このソビエト連邦からロシア共和国を中心としたロシア連邦になった1991年12月の3年後、1994年に総人口のピークを迎えていることがわかります。

一般に総人口のピーク時期と、その国の経済成長を支える生産年齢人口のピーク時期は、それほどずれることなく総人口のピーク前後に訪れます。しかし、ロシアの生産年齢人口のピークは、総人口ピークの17年後の2011年になっています。

経済が発展する人口フェーズとして”人口ボーナス期”と言われる時期があります。

この人口ボーナス期の条件の一つに、生産年齢人口(15~64歳の人口)が従属人口(14歳以下と65歳以上の合計人口)よりも大きく上回り、生産年齢人口が2倍以上いる状態という条件があります。

通常、この期間は総人口のピークを迎える前の時期が多いのですが、ロシアの人口推移をみると、この生産年齢人口が従属人口の2倍以上の期間は、第2次世界大戦後の1953~1956年のほかには、1972年から直近の2021年までの実に約50年間の長期間に及んでいます。

今から15年後の2039年に、この係数が1.9を下回ると予測されています。ロシアにおいては、この期間を含む約65年間に渡り従属人口への予算、即ち教育や福祉に係る予算については、他の国家と違った運用を長期間できると思われます。

ちなみに日本が、この係数が2を超えていた時期は、総人口ピーク2008年以前の1964年から2003年の約40年間です。日本は総人口ピークから16年が経過し、現在の日本の生産年齢人口は従属人口の1.46倍です。
一方ロシアは総人口ピークの1994年から30年が経過していますが、ロシアのそれは1.95倍です。人口構成推移の違いが際立っています。

ロシア連邦は、成立後すぐに人口減少フェーズとなっています。
2050年には、総人口は現在の89.5%の1.31億人、2100年には75.3%の1.12億人と予測されています。日本が2100年に現行の60.1%の減少になるのに比べると、ロシアの人口減少速度はゆっくりといえるでしょう。

老年化指数からみた世界の中でのポジション

このグラフは、世界各国のうち人口が1億人以上の15ヵ国について、2024年時点の生産年齢人口比率と老年化指数の分布を表しています。

グラフの真ん中に世界総人口のプロットがありますが、左下のエリアは、経済貧困のアフリカ3ヵ国が、中央上部にはアジアの人口規模の大きい国がプロットされています。

ロシアの老年化指数ポジション
人口1億人以上の国家の2024年の老年化指数とロシアの指数分布です

ロシアは、中国と米国近傍に分布して、この3ヵ国の老年化指数はほぼ同程度とみて取れます。尚、日本は世界で最も老年化指数が高い国です。

【速読解Biz】

ロシアの年齢5区分人口構成比の推移グラフ

ロシアの年齢構成は変化していきますが、2060年頃を過ぎると安定した年齢構成比率の社会に移行するとみられます。

老年化指数の推移を折れ線で示していますが、現在が94であり、まだ老年人口より年少人口が少ない社会です。

ロシアの年齢5区分人口構成比推移グラフ
過去から未来まで、ロシア連邦の年齢5区分人口構成比率を10年毎に表しています

2100年時点でも老年化指数191の社会ですので、現在の日本の老年化指数265(※1同様)やさらに2100年の老年化指数345の日本社会とは、大きくことなる未来のロシア社会と思われます。

ないものはない!お買い物なら楽天市場

データの出典・データの利用と加工
〈出典〉United Nations・Population Division〉World Population Prospects 2022 サイトURL https://population.un.org/wpp/Download/Standard/CSV/
〈利用と加工〉人口動向ラボが2024年7月7日に利用し、グラフ加工しています。

タイトルとURLをコピーしました