2050年秋田県は、総人口が4割の減少すると予測されています
日本は人口減少の社会に入っています。2008年のピーク人口から15年以上がたち、人口減少が加速する社会に入っています。
2050年、47都道府県のうち東京都だけが人口増加(+2.5%:2020年比)と予測されています。
人口減少は人口偏在化、地方の過疎化を招いています。
秋田県は、国内で最も人口減少が大きな県です。2050年までの人口動向をグラフに示します。
秋田県の人口及び人口予測
2020年:959,502人
2050年:560,429人▲41.6%
4割減少となると予測されています。
秋田県HPによる現在人口
2024年:899,314人(7/1現在)
と公表されています。
2020年からは、人口▲60,188人と既に▲6.3%の減少となっています。
先に、消滅自治体(※1)が発表されていますが、秋田県は秋田市を除く24の自治体が消滅自治体とされています。
しかし、2050年、秋田県内の24市町村が消滅することはありません。
秋田県は2050年約56万人となりますが、現在の鳥取県55万人(2020年現在)と同規模といえるからです。そして、現時点で人口規模の小さい自治体は多く存続しています。
一方で、秋田市を含めて25の市町村は、平均年齢上昇と老年人口増加が加速し、年少人口は大幅に減少する社会、即ち老年化指数が4桁(即ち、老年人口が年少人口の10倍以上いる状態)の社会になると予測されます。
秋田県の平均年齢
2020年現在:52.9歳
2050年予測:59.7歳
現在の県平均年齢は、全国で最も高い年齢ですが、2050年時点でも最も高い県です。
平均年齢が低いのは、2020年時点では
沖縄県43.5歳(→2050年49.4歳)
ですが、2050年では
東京都48.8歳(←2020年45.3歳)
と最も低く、沖縄・東京とも、2050年まで50歳以下で推移します。
秋田県は、30年先にはほぼ60歳と10歳以上開くことになります。
次のグラフから2050年までの市町村別の年齢3区分の人口推移、2050年時点の老年化指数(※2)の実態を見てみましょう。
※1)消滅自治体:人口戦略会議は、2020年から2050年までの30年間で、20歳から39歳の子どもを産む中心世代の女性が半数以下になる自治体を、近い将来、消滅する可能性がある自治体と定義しています。今年4月の発表では、秋田県では、秋田市を除く24市町村が対象となっています。
※2)老年化指数=老年人口/年少人口×100
年少人口:0~14歳
生産年齢人口:15~64歳
老年人口:65歳以上
秋田県市町村別・総人口減少率推移、2050年▲42%になる
秋田県の25市町村のうち、2050年に総人口▲50%以下は15市町村に上ります。
そのうち、3市町村が総人口▲60%以下と予測されています。
藤里市▲63.3%、
上小阿仁村▲63.2%、
男鹿市▲62.4%と、
大幅な人口減少を迎えます。
秋田県市町村別・年少人口減少率推移、2050年▲59%と約6割減少する
今後の年少人口予測です。
秋田県全体で、2020年比で2030年には▲32%、2040年▲48%、そして2050年▲59%となる予測です。
年少人口減少は、小中学校の児童数、生徒数の減少です。
人口減少にあわせて学校校の統廃合を進めれば半数以上の学校が廃校になるでしょう。
児童数、生徒数の減少は、学校の必要教員数も同様に減少していきますが、通学範囲にあわせた単式学級と複式学級の組み合わせや、教育リテラシーある老年者の教育アシスタント等の活用により教員の定数管理以外の教育資源創出により、児童教育の質の向上が求められるでしょう。
秋田県市町村別・生産年齢人口減少率推移、2050年▲52%と半減する
生産年齢人口の減少は働き手の減少です。
秋田県全県では2050年には▲52%と半減すると予測されています。秋田市が2050年に▲40%と5割を下回りますが、それ以外の市町村は全て半分以上の人口減少になる予測となっています。
秋田県市町村別・老年人口減少率、2050年▲22%となる
老年人口の2050年までの予測グラフです。
秋田県全県では▲22%ですが、老年人口の増減率は、市町村によりその値のばらつきは大きくなっています。
総人口が▲28%の秋田市は、老年人口が▲0.3%とほぼ現在と同水準にとどまると予測されています。
グラフで、もっとと減少すると予測される上小阿仁村は、2020年現在2063人が2050年には760人となります。
総人口▲63%
年少人口▲76%、
生産年齢人口▲73%
老年人口▲55%
と、全世代にわたって人口規模が縮小する自治体となります。
2050年、老年化指数1000を超える市町村が14自治体と予測される
老年人口と年少人口から定義される老年化指数の市町村分布を示してます。
2020年現在老年化指数が1000を超えるのは、国内793市で1市、国内926町村で13町村だけです。
秋田県では2050年に25市町村のうち14市町村が1000を超える予測となっています。
老年化指数は高齢化を示す1つの指標です。
老年化指数1000は、年少人口の10倍の老年人口がいる社会ですが、その構造に加えて、このグラフの縦軸で示す生産年齢人口比率の低下の問題です。すなわち、老年化指数の上昇は、それと負の相関にある生産年齢人口比率の低下を招くからです。
現在全国793市で北海道歌志内市は、老年化指数1123ですが、生産年齢人口比率は42%です。一方で2050年に1500を超える秋田県の各市町村は30%と大幅に働き手がすくない社会になると予測されています。
秋田県の市町村別人口減少マップ
〈出典〉国立社会保障・人口問題研究所HP〉将来推計人口・世帯数〉日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)・3都道府県・市区町村別の男女・年齢(5歳)階級別将来推計人口 サイトURL https://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson23/t-page.asp
〈利用と加工〉人口動向ラボが2024年8月8日に利用し、グラフ加工しています。