【老年化指数】日本の過去100年、将来100年のトレンドグラフ

日本の老年化指数動向をグラフで表す
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「老年化指数」この指数は、老年人口と年少人口の関係を表す年齢3区分人口構成の指標です。

2024年時点(※1)の日本の老年化指数は262です。世界の中で老年化指数200を超えている国はなく、日本は最も老年化指数が高い国(※2)となっています。
老年化指数200とは、老年人口が年少人口の2倍いる国家です。日本の老年化指数は、今後更に上昇し、30~35年後には、年少者の4倍の老年者がいる社会、即ち老年化指数400の社会を迎えることになると推計されます。

今から約100年前の1920年の老年化指数は14、今から約100年後の2120年は452、現在公開されている人口データである1920年から2120年のちょうど真ん中が現在です。

老年化指数とその他の人口構成指数との関係について、グラフを通して見てみましょう。

このグラフはこの200年の老年化指数のトレンドを表しています。全体のトレンドは、「S字型」になっています。

この老年化指数は、日本全体の指数です。県や市町村単位で計算すると、現在の老年化指数が最も低い市町村では100程度、最も高い市町村では1000を超えるところがあり、このS字型の高さが変化することになります。今回は、日本全体での指数変化を見ています。

老年化指数推移グラフ
図1)5年毎の老年化指数推移を示しています

グラフを見ると、1920年からゆっくり老年化指数が増加しています。1986年に50を超えますが、それから急上昇し、400を超えた2058年以降その伸びが鈍化し、450前後まで上昇すると予測されています。

1920年から2120年までの200年は、老年化指数の増加率を見ると3つの期間に分けることができます。

(期間1)1920~1980年:老年化指数50以下
年少人口のピークを含む期間であり、年少人口の増加が老年人口の増加を上回る期間です。
(期間2)1985~2065年:老年化指数50~400
老年化指数は、年平均約5ポイント増加しています。
(期間3)2070~2120年:老齢化指数400~450
老年者が年少者の4倍以上で安定した社会です。

老年化指数推移グラフ
図2)老年化指数のトレンドを3区間に区分しています

この3つの期間の境は、老年化指数の増減傾向が切り替わるタイミングです。
期間1~2の境は1980~1985年で、期間2~3の境は2065~2070年です。

老年人口指数と老年化指数の関係を見てみましょう。

老年人口指数と老年化指数は、強い正の相関関係になります。

2024年10月1日現在推計では、老年人口指数50、老年化指数262です。

このグラフでも、1980年から急激に両指数が増加していますが、1965年過ぎからその増加率は急に減速しています。

このグラフからも3つの期間の存在が見てとれるでしょう。

老年化指数と老年人口指数の相関図
図3)老年人口指数との関係を示しています

年少人口指数と老年化指数の関係を見てみましょう。

年少人口指数は、総人口の増加とともに、1920年時点の63から急減少し、1995年から2000年にかけて20に近づくとその減少率は急減速しています。

年少人口指数は2120年に18となりますが、この時の総人口に占める年少人口の比率は9%と推計されています。

このグラフでも2065年過ぎから老年化指数の増加率が大幅に低下しています。

年少人口指数と老年化指数の相関図
図4)年少人口指数との関係を示しています

1920年時点で年少人口指数は63です。即ち生産年齢人口の63%の年少人口がいる人口構成です。年齢5歳区分で考えると、年少人口の0~14歳は3区分相当に対して、生産年齢人口15~64歳は10区分相当になります。
1区分が同じ人数とすれば、年少人口指数は30になります。従って1920年時点では年少者が非常に多い時期といえます。

従属人口指数と老年化係数の関係を見てみましょう。

従属人口指数は、1920年の72から減少し、1965年に47となり1985年までほぼ同一の値で推移しています。
この20年間で、老年化指数は25から48に増加していますが、その増加率は少なくみてとれます。

1990から老年化指数の増加が早まり、2005年頃から従属人口指数も増加し始めます。
この傾向は1965年頃まで続きます。

従属人口指数と老年化指数の相関図
図5)従属人口指数との関係を示しています

従属人口指数と老年化指数の関係も、前述した(図3)や(図4)と同様に、2065~2070年頃から停滞した相関関係になります。

【速読解Biz】

最後に、生産年齢人口比率と老年化指数の関係を見てみましょう。

このグラフは、前述した(図5)の従属人口指数との関係グラフの縦軸を逆にした形とほぼ同じグラフになります。

このグラフ(図6)は、他のグラフと違って、人口構成比率との関係、特に生産年齢人口との関係がわかるグラフです。

即ち、社会経済支える生産年齢人口の比率の変化と老年化指数の関係は、その国のあり方を示すともいえます。

生産年齢人口比率と老年人口指数の相関図
図6)生産年齢人口比率との相関を示しています

老年化指数は、老年人口と年少人口の関係です。老年化指数の増加は年少者に対して老年者が増加していくことを示す指数ですが、老年化指数のポイントは、この指数が100となるポイントです。
老年化指数100とは老年人口が年少人口と同数になったポイントであり、100を超えていくと老年者が多い社会に向かうことを示しています。

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年齢3区分構成比の推移と老年化指数

最後に、1920年から2120年における年齢3区分人口の構成比推移を見てみましょう。

年少人口指数、老年人口指数、従属人口指数、及び老年化指数の4つの人口構成指数の式は、すべて年齢3区分人口のみから成っているため、その人口構成の比率で決まっている式と同等となります。

このグラフは10年毎の構成比率の%の数字を記載しています。

年齢3区分人口推移と老年化指数
図7)10年毎の年齢3区分人口の構成比推移を示しています

1920年から1960年までの年齢3区分構成比は、ほとんど変化がないように見えます。
同様に2060年以降の3区分構成比も同様です。

日本は高齢化社会に最も早く突入している国です。2060年の総人口は現在の78%に、2120年には現在の40%まで縮小しますが、2060年以降の年齢3区分人口構成比が変わらない社会になると推計されています。

データの出典・データの利用と加工
〈出典1〉総務省統計局〉令和2年国勢調査・調査の結果 サイトURL https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka.html  
〈出典2〉国立社会保障・人口問題研究所〉将来推計人口・世帯数/日本の将来推計人口(全国)〉/令和5年推計報告書・詳細結果表〉推計結果(総人口)/1出生中位(死亡中位)推計〉サイトURL
日本の将来推計人口(令和5年推計)|国立社会保障・人口問題研究所 (ipss.go.jp)
〈データの利用と加工〉人口動向ラボが2024年7月4日に利用し加工しています

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