グラフで知る九州老年化指数分布
老年化指数は、年少者(0~14歳)に対する老年者(65歳以上)の指数です。
この指数と生産年齢人口(15~64歳)の総人口に占める割合との関係をみると、興味深いチャートになります。
九州7県の全108市の老年化指数の分布を見てみましょう。
福岡市10人と大分県竹田市10人
九州7県には、108市(※1)があります。
グラフは、老年化指数と生産年齢人口比率の散布図ですが、生産年齢人口比率の高い市は、老年化指数が小さく、生産年齢人口比率の低い市は、老年化指数が高くなっていて、負の相関関係にあるといえます
生産年齢にあたる人口の減少は、働き手の高齢化を伴います。同時にそれは年少者の減少も伴っている社会です。
グラフで最も左側に位置しているのは、熊本県合志市です。老年化指数131、生産年齢指数57.0%、総人口61,772人の熊本市北区の西に隣接する市です。
一方、グラフで最も右側に位置しているのは、大分県竹田市です。老年化指数542、生産年齢指数42.8%、総人口20,332人の市です。大分の南西に位置し阿蘇山の西側に位置しています。また、竹田市は、生産年齢人口の比率が九州では最も低い市となっています。
グラフの左上に行くほど、生産年齢人口比率が高く、老年化が進んでいないエリアですが、福岡市を筆頭に、春日市、大野城市、那珂川市と福岡県の市が分布しています。
特に福岡市は生産年齢人口比率が65%を超えていますので、働き手の集まる都市といえます。
グラフの右下エリアは、老年化指数が高い市です。大分県の津久見市、国東市、豊後大野市、鹿児島県の垂水市がそれにあたっています。
福岡市と竹田市の代表的な市民10人の集団を想定します。
福岡市は、7人の生産年齢該当者、2人の老年者、1人の年少者が集まります。
竹田市は、4人の生産年齢該当者、5名の老年者、1名の年少者の集まりとなります。
高齢化とともに、老年人口が増える社会は、日本全国どこでも同じ傾向です。人口減少とともに、市のポジションは、時間とともに右下方向に移動するでしょう。
人口の予測は、現在の0歳児を想定すれば、20年後の20歳以上の人口構成は予測可能な社会です。
わが町の老年化指数を一度計算してみたらいかがでしょう。
※1:令和2年国勢調査では、全国793市(東京23区も1カウント)が記載されています。
全国793市の中での九州のポジション
九州7県108市を色分けして、全国793市の中でのポジションがわかるグラフにしています。
九州108市の分布は、全国の分布と同じ傾向にありますが、その分布は左側にズレて分布しています。
すなわち九州の各市の集団は、全国の中でも老年化指数が比較的低いといえます。
総務省統計局〉令和2年国勢調査・調査の結果 サイトURL https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka.html
出典のデータを2024年6月2日に利用して加工作成しています。