1枚のグラフで知るこれからの欧州諸国の人口増減
ヨーロッパ(※1)の人口は、5億9,769万人(1July2024現在、WPP2022中位推計)です。ヨーロッパ各国の30年後、人口増減率をグラフに表しています。
人口が減少する東と南、増加する西と北
グラフは、今から30年、欧州諸国の人口増減率を色分けしています。
ヨーロッパの総人口は、30年後、現在の5.97億人は、▲3,588万人の5.62億人となり、▲6.0%の減少となる見込みです。
ヨーロッパ全体での総人口は、既に2020年ピークを迎えています。国連の人口統計の国別分類では、ヨーロッパを、東ヨーロッパ、北ヨーロッパ、南ヨーロッパ、及び西ヨーロッパの4つ(※2)に分けています。
グラフで分かるように、東の国は人口が減り、西及び北側の欧州諸国が増加傾向にあるといえます。4区分では、現時点で、総人口がピークを越えているのは、東ヨーロッパと南ヨーロッパで、東ヨーロッパは1993年にピークを、南ヨーロッパは2012年にピークを迎えています。
今後、西ヨーロッパは2035年、北ヨーロッパは更にその先の2078年に総人口のピークを迎えると予測されています。
30年後、人口が2割以上減少する国は、ブルガリア▲24.8%、ラトビア▲23.4%、エストニア▲21.2%、セルビア▲21.6%の4か国です。
それに続くのは、クロアチア▲19.1%、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ▲16.9%、アルバニア▲16.4%、及び戦禍のウクライナ▲16.6%であり、ポーランドも▲15.3%と大きく減少する国になっています。
一方で、人口が増加するのは、ルクセンブルク+20.0%、ノルウェー+17.1%、スウェーデン+13.0%、アイルランド+13.3%、及びスイス+11.0%となっています。
G7の国では、英国+5.6%、フランス+0.9%と増加する国ですが、ドイツは▲6.5%、イタリアが1割以上減少、▲13.6%となっています。
Subregion | Number 0f country | Total population, as of 1 July (thousands) | |
2024 | 30years later | ||
Eastern Europe | 9 | 143,384 | -14.0% |
Northern Europe | 14 | 107,243 | 5.7% |
Southern Europe | 17 | 150,980 | -12.3% |
Western Europe | 9 | 196,087 | -1.7% |
total | 49 | 597,695 | -6.0% |
欧州の人口増減は、南からの難民や移住者の影響を大きくうけています。
人口減少が進む国に、宗教観の異なる者の増加は社会に大きく影響を与えています。
※1)国連World Divisionの人口統計では、欧州の東欧にはロシアが含まれていますが、今回の集計ではロシアを除く欧州としています。
※2)ヨーロッパ4区分の主な国家
東ヨーロッパ:ポーランド、ウクライナ、ルーマニア、チェコ
北ヨーロッパ:英国、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド
南ヨーロッパ:イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、セルビア
西ヨーロッパ:ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、オーストリア、スイス
〈出典〉United Nations・Population Division〉Data〉World Population Prospects〉Download Data Files サイトURL https://population.un.org/wpp/Download/
〈利用と加工〉人口動向ラボが2024年6月20日に利用し、グラフ加工しています。