1枚のグラフで知るイタリアの人口推移
2024年1月1日現在のイタリアの人口(※1)は、5,878万人と推計されています。
イタリアの1950年から2100年迄の人口推移について、国連予測を見てみましょう。
※1)国連World Population Prospects 2022/中位推計、以下同じ。データ出典参照。
日本の人口推移と似るイタリアの人口推移
イタリアは2014年に総人口6,034万人となり、ピーク人口を迎えています。
国連の人口統計で分類されているヨーロッパには、最大国のロシアから、人口約760名のバチカン市国まで、全部で50ヵ国があります。
イタリアは、2024年現在5,878万人、人口規模では50ヵ国の中で、ロシア(14,419万人)、ドイツ(8,327万人)、英国(6,785万人)、フランス(6,482万人)に次ぐ大国となっています。
グラフ上でイタリアの年少人口指数が、老年人口指数と交差する(同数になる)のは1992年です。この時点から老年者が年少者を上回る社会になってことを意味しています。
年少人口が最大になったのは1975年、生産年齢人口が最大になったのは2011年で、総人口のピークは2014年でした。老年人口のピークは2046年と予測されています。
グラフでもわかるように、2014年の人口ピーク以降は人口が大きく減少していくトレンドになっています。2050年には現在の89.2%の5,242万人に、2100年には62.9%の3,697万人まで減少すると予測されています。
日本も2100年には現在人口の60.1%まで減少すると予測されていますので、イタリアは日本と同等に人口減少の早い国とみられています。
ヨーロッパは、国連統計で東西南北の4つのヨーロッパに区分されています。全ヨーロッパの現在人口は、7億4,192万人で、世界全人口80億8,207万人の9.2%を占めています。
東ヨーロッパ(ロシア、ウクライナ、ポーランド等10ヵ国)は、1993年に既に人口のピークを過ぎて人口減少フェーズにあり、現在2億8,772万人でピーク時より92.4%の人口となっています。
一方、西ヨーロッパ(フランス、ドイツ、オランダ等9ヵ国)は、現在1億9,597万人、人口のピークは11年先の2035年と予測されています。
それ以上に人口が増えつつあるのは、北ヨーロッパ(英国、北欧諸国等14ヵ国)です。現在1億707万人ですが、人口のピークは50年以上先の2078年と予測され、106.2%とゆっくりとした増加ですが、まだまだ人口増加が継続する地域と予測されています。
イタリアを含む、南ヨーロッパ(スペイン、ギリシャ、ポルトガル等17ヵ国)全体の総人口のピークは、12年前の2012年の1億5,416万人であり、現在人口は98.1%の1億5,116万人となっています。
イタリアを含む南ヨーロッパの地域は、東ヨーロッパに続く人口減少フェーズに入っている地域となっています。
イタリアの年齢の中央値の推移グラフ
このグラフでみると、イタリアの年齢中央値のトレンドは、日本の年齢中央値推移と全く同一の様に見えます。
イタリアのトレンドから、2050年以降の年齢3区分人口の構成比率は全く変化なく一定になり、また年齢中央値も約54歳で一定になると予測されています。
人口だけが減少する社会です。
イタリアの老年化指数の推移グラフ
年齢中央値の推移も日本と同じ推移でしたが、老年化指数の推移も日本と同様なトレンドとなっています。
現在のイタリアの老年化指数は204であり、老年人口が年少人口の2倍いる社会です。
2037年には老年化指数が300を超え、2040年以降は日本とほぼ同じトレンドになると予測されています。
イタリアは全世界の中で日本に次ぐ老年の国
ヨーロッパ諸国の老年化指数の分布を示すグラフです。
空色のプロットが南ヨーロッパ諸国の分布です。
モナコ(人口36千人)の老年化指数217を除くと、イタリアは、ヨーロッパ諸国の中では、老年化指数が高く、老年人口比率でも24.7%と最も高い国となっています。
〈出典〉United Nations・Population Division〉World Population Prospects 2022 サイトURL https://population.un.org/wpp/Download/Standard/CSV/
〈利用と加工〉人口動向ラボが2024年7月15日に利用し、グラフ加工しています。