1枚のグラフで知るフランスの人口推移
2024年1月1日現在のフランスの人口(※1)は、6,482万人と推計されています。
今年パリ五輪のあるフランスの人口推移について、1950年から2100年迄の国連予測を見てみましょう。
※1)国連World Population Prospects 2022/中位推計、データ出典参照
フランスの総人口、2041年まで増え続けると予測
国連の人口統計では、欧州を東ヨーロッパ、北ヨーロッパ、西ヨーロッパ、及び南ヨーロッパの4つのregionに分けています。現時点で、総人口がピークを越えているのは、東ヨーロッパと南ヨーロッパで、東ヨーロッパは約30年前の1993年にピークを迎え、南ヨーロッパは12年前の2012年に迎えています。
北ヨーロッパは、2078年にピークを迎える予定で、まだ50年以上先と予測されています。
フランスが分類される西ヨーロッパの国々(※2)も、地域全体では、11年先の2035年にピークを迎えると予測されています。
フランスの過去10年の年平均増加率は0.27%で、今後10年でも年平均0.20%の増加率で人口が増える予定です。フランスの総人口のピークは、2041年と予測され、今から134万人増、102.1%の6,616万人と推計されています。
年少人口は50年前の1974年にピークを迎え減少していますが、2023年現在の合計特殊出生率は1.79(日本は同1.31)であり、年少人口指数は現在の28と同水準の26〜27を維持すると予測されます。
生産年齢人口は、13年前の2011年すでにピークを迎えています。現在の従属人口指数は64、生産年齢人口比率は60.9%です。
現在の老年人口指数は、36です。グラフの3つの指数トレンドものうち年少人口と老年人口が同数、すなわち両指数が交差した年は2014年でした。それ以降は老年人口が年少人口を上回って老年人口が増加するフェーズに入っています。
※2)西ヨーロッパ:国連の分類では、9ヵ国です。国名の()内数字は総人口ピーク年推計です。2100年以降にピークを予測する国は3ヵ国あります。
🇦🇹オーストリア(2035年)、
🇧🇪ベルギー(2047年)、
🇩🇪ドイツ(2022年)、
🇱🇮リヒテンシュタイン(2048年)、
🇱🇺ルクセンブルク(2100年以降)、
🇲🇨モナコ(2100年以降)、
🇳🇱オランダ(2039年)、
🇨🇭スイス(2100年以降)
フランスの老年化指数トレンド
フランスはまだ人口が増加する国ですが、生産年齢人口はピークを過ぎ確実に老年化指数(※3)は増加していきます。
フランスの現在の老年化指数は131です。参考として日本の指数トレンドを示しています。2100年時点で、ようやく日本の高齢化社会に近づく水準の人口構成と予測されます。
※3)老年化指数=老年人口(65歳以上)/年少人口(0〜14歳)×100
【速読解Biz】フランスとマグレブと移民
フランスの第2次世界大戦後1945〜75年はLes trente Glorieusesと呼ばれ、めざましい経済発展を遂げたが、旧来の植民地であったアルジェリアから多くの移民を受け入れています。
グラフはフランスの移民トレンドと、ナイジェリアを中心としたマグレブ諸国と呼ばれる北アフリカの移民トレンドを示しています。「栄光の30年間」の移民トレンドが非対称になっています。
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〈出典〉United Nations・Population Division〉World Population Prospects 2022
サイトURL https://population.un.org/wpp/Download/Standard/CSV/
〈利用と加工〉人口動向ラボが2024年6月28日に利用し、グラフ加工しています。